2026.05.20 導入事例

食品ロス削減と食事の安定供給を両立。航空自衛隊奈良基地が実現する食堂運営の最適化と隊員満足向上

北海道から沖縄まで全国各地に所在する航空自衛隊の各基地の食堂は、日々の任務や厳しい訓練に励む隊員たちにとって、心身を整える大切な場所です。その基地の食堂においては、「限られた時間の中で、確実に提供すること」が求められる一方、喫食数の変動による食品ロスの課題を抱えていました。奈良基地(奈良県奈良市)の食堂を運営する業務課給養班では、食事の安定供給と食品ロスの解消を目的に、炊飯後のご飯の高品質冷凍ができるアートロックフリーザーを導入。その導入の背景から現在の取り組み、そして今後の展望についてお話を伺いました。

導入の背景は「不足」と「待機」を防ぐための選択

ーーーー導入いただいた背景を教えてください。

航空自衛隊奈良基地には、航空自衛隊の幹部を育成する「幹部候補生学校」等が所在しています。食堂では 1 食あたり約500名に食事を提供しており、炊飯前のお米で40~50kgに相当します。事前申込制を採用しているものの、急な任務や訓練状況の変化、さらには毎年入校する学生の食欲の違い等により、喫食数や消費量が変化するという課題がありました。食堂運営において最優先されるのは、「全員に確実に食事を提供すること」です。不足が見込まれる場合には、炊き増しを行いますが、この炊き増しには約1時間かかり、隊員に食事を待たせてしまう課題がありました。このような課題を解決し、食品ロスの解消と食事の安定供給を図るために、急速冷凍機の導入を検討しました。近年のSDGsへの関心の高まりも後押しとなりました。

アートロックフリーザー採用の理由は、ご飯の冷凍品質炊きたて品質をストックし、変動に備える

ーーーー冷凍機の選定について教えてください。

複数の冷凍機を比較検討し入札した結果、アートロックフリーザーを2026年春、基地食堂の調理場に導入しました。本冷凍機の導入により、冷凍後もご飯を炊き立てに近い品質を維持できています。

ーーーー現在の取り組みについて教えてください。

炊飯済みのご飯を冷凍ストックし、必要に応じて再加熱し提供することで、食品ロスをゼロに近づけようとしています。生米で約7kg分を炊飯し、急な任務や訓練状況の変化等に対応できるよう調整用在庫として冷凍保存しています。仮に、追加でご飯の提供が必要になった場合は、スチームコンベクションオーブン、又は少量であれば電子レンジで、冷凍保存しておいたご飯を再加熱することで、すぐに提供が可能です。このように、隊員を待たせることなく、炊き立てと遜色ない美味しさで、ご飯を提供することができるようになりました。

調理の効率化と隊員の満足度の向上を目指す

ーーーー今後の活用の広がりについて教えてください。

アートロックフリーザーの導入に合わせて、スチームコンベクションオーブンも導入しました。今後は、ご飯以外のおかずにも活用を広げ、計画的に下処理や仕込みを行い急速冷凍しておくことで、より効率的に大量調理を行える態勢を構築したいと考えています。これにより、調理現場の負担軽減はもちろん、これまで工程の複雑さから提供が難しかったメニューにも挑戦できると考えています。

例えば、記念メニューの調理です。2026年11月に航空自衛隊奈良基地は開庁70周年を迎えることから、これを記念した特別メニューを作成しました。奈良県の歴史や文化を感じられる献立になっています。この記念メニューを大量調理する必要がある場合でも、事前調理と急速冷凍を組み合わせることで円滑な調理及び隊員への提供ができるものと考えています。また、航空自衛隊は、北海道から沖縄まで全国各地に基地が所在しており、隊員は転勤も経験します。地元を離れて勤務する隊員にとって郷土料理を食べられることは、より一層、任務や訓練に対する士気が上がるものです。これまで実施が難しかった各地の郷土料理を提供する取り組みにも、本冷凍機の導入によって貢献できるのではないかと考えています。

官公庁導入の条件

ーーーー導入にあたり必要な条件はありましたか。

官公庁の取引には「全省庁統一資格」が必要です。この資格は国の機関に入札に参加するための資格であり、導入にあたってはその資格が求められました。また、航空自衛隊の各基地の給食担当部署間では、献立や運営に関する情報交換が行われています。今回の急速冷凍機の活用事例についても共有し、他基地の課題解決の一助になればと考えています。

隊員を支える食事を充実させ、心身ともに元気になってもらいたい

ーーーー自衛隊基地での食堂の役割について教えてください。

厳しい任務や訓練が続く中で、食事の時間を楽しみにしている隊員は多く、食事は隊員の士気に大きく影響するものです。私たちとしても、しっかり食事をとってもらうことで、その後の任務や訓練に万全の状態で臨んでもらいたいと考えています。食事を通じて隊員の活力を高め、心身ともに健康になってもらうことが私達の使命です。今回のアートロックフリーザー導入により、食品ロスの削減だけでなく、メニューの充実や食事の安定供給にもつなげ、隊員一人ひとりのコンディションを整える食事をこれからも提供し続けていきたいと思います。

プロフィール

  • 組織名:航空自衛隊幹部候補生学校
  • 所在地:奈良県奈良市
  • 事業概要:航空自衛隊初級幹部自衛官を目指す幹部候補生の教育及び訓練の実施
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