滋賀県で老舗日本料理店「近江懐石 清元」を営む有限会社清元楼。高品質な料理を届けるため、ギフト商品の開発を目的にアートロックフリーザーを導入しました。現在は、お歳暮向けの鴨鍋セットやおせち料理、とれる時期が限られる琵琶湖の魚など、幅広い食材・商品に活用しています。特に大きな変化があったのが、年末のおせち料理の製造です。冷凍技術を活用した計画生産によって、長年の課題だった深夜残業がなくなり、売上も過去最高を見込むまでに成長しました。今回は、代表取締役の清本健次様に、導入の背景や具体的な活用方法、今後の展望について伺いました。
ーーーーアートロックフリーザーを導入された背景を教えてください。
もともとは、ギフト商品の開発が目的でした。高品質な商品を開発して販路を広げるために色々な冷凍機を検討し、凍結スピードや品質を試したうえで、総合的にアートロックフリーザーがいいと判断しました。特に評価したのは、生で食べるものの品質です。加熱調理するものと比べても、品質の違いが大きく感じられました。
ーーーー現在は、冷凍技術をどのような商品に活用されていますか。
自社ECや百貨店のギフトカタログを通じて販売するお歳暮向けの冷凍商品や、おせち料理に使っています。人気商品は「香味の鴨鍋セット」です。昨年は1,000セットを販売し、今年は3,000セットを超える注文を見込んでいます。年越しそばとして、おせちと一緒に購入されるお客様も多いです。

鴨鍋は、具材ごとに下処理を変えています。白ネギは焼き、椎茸は軽くスチームしてから冷凍し、青ネギは生のまま凍結。そばはゆでてから、鴨肉の肉団子は生の状態で冷凍します。出汁は5倍濃縮にして冷凍することで、容量をコンパクトにでき、お届けしやすくなりました。 お客様にはお湯を加えていただくだけで、具材やそばと一緒に楽しめるセットです。工程の工夫と冷凍技術によって量産体制を整えられたことが、販売数の成長につながっています。


ーーーーおせち料理では、どのように活用されていますか。
昨年から、多くの品目を冷凍して計画生産するようになりました。例えば煮豆は、冷凍すると表面にシワができるイメージがありますが、アートロックフリーザーではシワがほとんどなく、作りたてと変わらない仕上がりになります。これには驚きました。おせちに使う食材は、2月ごろから旬のものを仕入れ、状態のいいときに冷凍しておきます。調理後に冷凍するものもあれば、素材の状態で冷凍し、使うときに解凍して調理するものもあります。例えばカラスミなどは、仕上げて容器に入れた状態で冷凍し、そのまま盛り付ける食品の一つです。こうしたオペレーションを確立し、今では半分ほどの品目を完成した状態で冷凍できるようになりました。
盛り付け時には、凍った料理を順番に重ねていくことで保冷にも活用できます。製造・流通の過程で自然に解凍されるため、生おせちとして販売できることも強みです。おせちは手仕込みの料理が約50種類入るため、盛り付けに5時間ほどかかります。おせちに専念するためにお店の営業を1週間休んでも、従来は2〜3時間の残業が発生し、深夜まで働くことも珍しくありませんでした。今では年末の残業がゼロになり、スタッフは定時に帰ります。

ーーーー導入による経営面での効果はいかがですか。
鴨鍋セットの製造・販売が予定どおり進めば、12月の売上は過去最高となり、昨年の倍近くになる見込みです。製造は、計画生産に必要な人員を確保し、日中に集中して製造できる体制を整えました。人は増えましたが、その分売上も伸びていて、残業や長時間勤務など負担の大きい働き方を減らせています。
また、仕入れたときに冷凍して保管できるようになったことも大きな変化です。琵琶湖の魚は漁獲量に波があり、スジエビや鮎の稚魚「氷魚」のように特定の時期にしかとれない食材があります。いいものを安く仕入れ、品質を保ったままストックできれば、翌年の漁獲を待たずに商品を提供できる。冷凍技術の活用は、仕入れコストの抑制と、安定した商品づくりの両方につながっています。
ーーーー今後、取り組んでいきたいことはありますか。
鴨鍋セットが軌道に乗ってきているので、まずはこうした商品をさらに伸ばしていきたいです。鴨鍋やおせち以外にも、冷凍うな重やお弁当やお惣菜のストックにも活用しています。まとまった数の注文が入ったときも、あらかじめポーションごとに冷凍しておけば、効率よく対応できます。

日本料理業界では、板前や料理人の不足が深刻な課題になっていて、長年続いてきたお店でも、営業を続けることが難しくなっているところがあります。そうした課題に対して、冷凍技術は一つの解決策になると考えています。冷凍技術を活用すれば、料理の品質を保ちながら計画生産でき、限られた人員でも効率よく料理を提供できるようになる。 私たち自身、おせちの製造で残業がなくなり、売上も伸びるという成果を実感しました。
これからも開発力を高め、時間を有効活用しながら、これまでできなかった商品づくりや販売方法に挑戦していきたいです。そして、こうした冷凍技術の活用を私たちだけでなく、日本料理業界全体に広げていきたい。長年培われてきた料理技術やお店が大切にしてきた味の存続と発展のために、冷凍技術を役立てていきたいと思います。
熊本県上天草市で半世紀にわたり養殖業を営む株式会社天草海産。「天草とらふぐ」を主力に、海水で育てる希少な「天草藍うなぎ」や「黄金ヒラメ」など、独自の養殖に取り組んでいます。同社の特徴は、魚を育てるだけでなく、出荷先のニー […]
熊本県で、地元の名物や食材を生かした惣菜の製造を手がけるイケダ食品株式会社。佃煮など日持ちする商品の製造を中心としてきた同社では、商品ラインナップの新たな柱として冷凍食品に着目し、アートロックフリーザーを導入しました。導 […]
福井県で精肉加工・販売を手がける高島屋株式会社。鹿児島黒牛を使った高級肉おせちの製造をきっかけに、アートロックフリーザーを導入しました。それまで12月に集中していた生産を前倒しすることで、繁忙期の売り逃しを解消。高級和牛 […]