2026.08.25 導入事例 漁業・水産加工 魚介 新商品開発 計画生産 販路拡大 中四国

冷凍技術で一番美味しい瞬間を閉じ込め、地元・鳥取県境港の鮮魚に新たな価値を

鳥取県境港市を拠点に、水産加工品の製造・販売を手掛ける株式会社大幸。鮮魚を捌いて冷凍するだけではなく、干物や塩漬けなどの二次加工まで行い、「お客様が欲しいと思う商品」を提案しています。その商品づくりを支えているのがアートロックフリーザーです。調理や加工によって魚の美味しさを引き出したうえで、「ここで止めたい」というタイミングで凍結する。さらに−60℃で保管することで、旬の魚を長期間にわたって良い状態で届けられる仕組みを構築しています。取り扱いアイテムは約300品目まで広がり、新たな売上創出にもつながっています。今回は、冷凍技術を活用した商品づくりと、今後の展望についてお話を伺いました。

冷凍品の流通を見据え、アートロックを導入

ーーーー冷凍技術を導入した背景を教えてください。

導入前は、冷凍の魚を捌いてチルドで流通させる形がほとんどでした。冷凍加工品の流通を広げるために急速冷凍機を探していたときに、デイブレイクを知ったことがきっかけです。液体凍結も検討しましたが、凍結後にアルコールを拭き取る手間なども考えて、アートロックを選びました。

「ここで止めたい」タイミングで凍結。加工品の価値を高める

ーーーー現在、冷凍をどのように活用されていますか。

この辺りの水産加工会社では、鮮魚を仕入れて捌き、凍結することが多いと思います。私たちが取り組んでいるのは、そこからさらに二次加工まで行った商品です。例えば「零度乾燥」という干物があります。実際に魚を干しているのではなく、超低温の環境で乾燥させ、私たちが見極めたタイミングで凍結します。調理や加工をしたものを、「ここで止めてほしい」という時間で止めて、一番美味しい瞬間をキープできる。そこがアートロックとの相性が良いところです。

干物以外にも塩漬けなど、さまざまな商品があります。お客様が「こういう商品が欲しい」と思うものを考えて提案。より見た目を美しくしたい商品は、先に真空してから凍結するなど、商品によって、裸のまま凍結するものと、先に真空してから凍結するものも使い分けています。

塩漬け加工中の鮮魚

「必要な分だけ」を届ける。−60℃保管が支える新しい流通

ーーーー販売先はどのようなところですか。

近隣の旅館やホテル、小売店、飲食店など、さまざまです。鳥取県内が中心で、県外にも一部出荷しています。鮮魚をそのまま冷凍するのではなく、ひと手間加えて商品にしているので、価格は比較的高くなります。それでも価値を理解して使ってくださる代表的な卸先が旅館です。旅館でも、料理や魚を捌く技術を持つ人が少なくなっています。加工済みの商品を冷凍で届ければ、特別な技術がなくても刺身などの料理を提供できます。

また、魚屋さんで買うとケース単位になりますが、「今日は1匹だけ欲しい」こともあります。そこで、使いたい分だけ注文いただくことにも対応。当社では−60℃で保管しているので、良い状態で凍らせたものを、そのまま保存できます。例えば週末に2枚必要なら2枚だけ確保しておいて、必要なタイミングで配送する。そうした対応もアートロックを導入したことで可能になりました。

-60℃の保管庫
自社のトラックで冷凍鮮魚を配送

旬を先取りして冷凍。約300アイテムまで拡大

ーーーーアートロックフリーザーの活用頻度や導入後の成果について教えてください。

ほぼ毎日稼働しています。丸の魚であれば、1時間ほどで凍結できます。今が旬の魚でも、営業から「今、この魚をメニューに入れたい」と言われても、すぐに提供できるとは限りません。その場合は、1年前倒しで翌年分の商品をつくります。また、魚が少なくなる8月に、旬の時期に仕込んでおいた魚を冷凍で流通させることもあります。6月にはこの辺りでマグロが揚がるので、柵に加工して冷凍ストック。−60℃で保管することで、1年、2年と良い状態を保つことができます。

導入後は取り扱いアイテムがものすごく増え、現在は約300アイテムまで広がりました。それに伴い、新しい売上の創出にもつながっています。

本まぐろも品質を保ち、冷凍で流通

「美味しいから食べてください」と、自信を持って提案できる商品へ

ーーーー今後の展開について教えてください。

導入から3年ほど経ち、アイテムも十分に広がってきました。これからは、闇雲に商品を増やすのではなく、一度整理して、厳選・集中していきたいと考えています。何より、品質がブレてしまうのが一番良くありません。技術や売り先も含めて、もう一度見直し、安定させて定着させていきたいと考えています。

当社では年に2回ほど、自社で展示会も開催しています。いろいろな冷凍商品を実際に見て、食べていただく機会です。レストランで「どうですか?」と聞かれるより、「美味しいですから、食べてください」と言われた方が、美味しく感じると思うんです。だから私たちも、展示会で「美味しいから食べてください」と、自信を持って提案できる商品をつくりたい。そのためには、作り手側の絶対的な自信が必要です。

アートロックは、私たちが一番美味しいと思う瞬間で時間を止めてくれる。それが商品への自信につながっています。これからもアートロックを活用しながら、良い商品づくりに一緒に取り組んでいきたいと思います。

プロフィール

  • 会社名: 株式会社大幸
  • 代表者: 代表取締役社長 森脇哲雄
  • 所在地: 鳥取県境港市
  • 事業概要: 水産物の加工・製造・販売
  • 導入冷凍機:ART2
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