2026.08.18 導入事例 食品加工製造業 飲食業 弁当・惣菜 計画生産 関西

惣菜づくりは、冷凍で進化する。「守り」と「攻め」の両立で挑む岡山フードサービスの冷凍革新

食品の生産から流通、販売までを手がける岡山フードサービス株式会社(本社:大阪)は、京都・山科のデリカ惣菜部門に最新鋭のアートロックフリーザーを導入。冷凍時間の短縮や品質向上を実現するとともに、個包装商品やB to C市場への展開を視野に入れた新たな取り組みも始動しています。食の6次化を実施し「守り」と「攻め」の冷凍を両立させる、岡山フードサービスの取り組みについてお聞きしました。

「食の6次化企業」岡山フードサービスの事業モデル

岡山フードサービス株式会社は、外食産業向けの食品卸を原点としながら、自社工場での食品加工、セントラルキッチンの運営代行、惣菜店「咲菜」や飲食店舗の経営、さらには自社農場での養鶏・農産物生産に至るまで、食に関わる「生産」「加工・流通」「販売」のすべてを手がける「食の6次化」企業です。

一次産業(農業)としては、鹿児島県南九州市にて鶏の飼育やさつまいもの栽培などを手がけ、二次産業(加工)では食品製造業、三次産業(サービス)では、惣菜店「咲菜」の運営やビフテキ重・とんかつ店などの飲食事業を展開しています。二次産業の食品の加工機能には、食肉製造、キット製造、デリカ製造の部門があり、食肉製造においては牛肉・豚肉のミンチ加工や部位ごとのカットなど1日7〜8トンを製造。キット製造では、野菜のカット、下処理、計量などの業務を店舗に代わって担うことで、現場の負担軽減と業務効率化を実現しています。

デリカ製造部門にアートロックフリーザーを導入。高品質冷凍による惣菜製造の変革を目指す

ーーーーアートロックフリーザーを導入されたきっかけを教えてください。

今回「アートロックフリーザー」を導入したのは、デリカ製造部門。ここでは、ハンバーグや各種ミートソース、ローストビーフを中心に、月間130品目・約5万食を製造しています。業務効率化による生産ロットの拡大、高品質な新商品の開発が求められる中、最新冷凍技術による課題解決を図りました。導入のきっかけは、2022年10月に放映された経済ドキュメンタリー番組。冷凍機の販売にとどまらず、特殊冷凍技術の普及とそれに伴うコンサルティングを手がける、「食の冷凍革命児」として紹介されたデイブレイクの木下代表に大きな衝撃を受けたことが始まりです。

そこからご縁があり、2023年9月には弊社の得意先様を対象とした特殊冷凍とアートロックフリーザーの勉強会を実施。デモ機を使用して様々な食品のテストをし、お客様にも一般的な冷凍と食べ比べを実施しました。導入前には、デイブレイクの技術スタッフが工場を訪れ、実際に凍結を予定する食品を一品一品確認。必要な凍結スピードや処理量に応じて最適な機種を提案していただくなど、現場に寄り添った対応をしていただきました。それ以降、綿密な打ち合わせを重ね、スペック選定や設置スペース、室外機の配置、搬入計画など、細部にわたる調整を経て、2024年3月、2階建て工場の1階と2階フロアにそれぞれ大きさの異なるアートロックフリーザーを設置しました。

アートロックフリーザーを目にした従業員からは「かっこいい!」といった声が上がり、設備への期待感と愛着が生まれました。導入を通じて現場にポジティブな変化と活気がもたらされたと感じています。

アートロックフリーザー導入によるハンバーグ製造工程における効果

ーーーーアートロックフリーザーを導入後、惣菜製造に変化はありましたか

ハンバーグの冷凍に、従来はショックフリーザーを使用しており、1回あたりの凍結に約2時間必要でした。当部門では1日あたり約200kgのハンバーグを製造しており、1回に凍結できる量が約100kgだったため、生産は午前と午後の2回に分けて対応。凍結時間の長さがネックとなり、製造スケジュールに制約が生じていました。アートロックフリーザーの導入後は、ハンバーグの凍結時間が約1時間に短縮され、同じ時間内に2回転が可能になりました。これにより、1日の生産を午前中に集約することができ、凍結待ちのタイムロスを大幅に削減。生産性が向上し、スタッフの働き方にもゆとりが生まれました。

さらに、アートロックフリーザーは操作パネルの色分けが明確で、稼働状況や異常をひと目で把握することができます。当工場では外国人技能実習生も多く勤務しており、視覚的なわかりやすさは日々の業務において大きな安心感につながっています。品質面でも差は歴然でした。アートロックフリーザーで凍結したハンバーグは、表面の乾燥が少なく、従来のような変色がほとんど見られません。冷蔵庫で解凍した際のドリップも大幅に減少し、食材本来の風味と食感をしっかりと保持できるようになりました。

さらに、設備配置の面でも改善が見られました。今回、当社の2階建て工場の1階・2階それぞれにフリーザーを設置したことにより、焼成ハンバーグやローストビーフなどの加熱調理済みの製品は2階で熱いまま凍結、生のハンバーグや野菜巻きなどの非加熱商品の凍結は1階で行うというゾーニングが実現し、衛生面・動線の両面でより効率的な製造環境を整えることができました。

今後の展望。「守り」と「攻め」の冷凍で、次なる挑戦へ

ーーーアートロックフリーザーを活用した今後の展望を教えてください

アートロックフリーザーの導入により、岡山フードサービスのデリカ製造部門では、生産効率と品質向上という確かな手応えを得ることができました。これを一過性の改善にとどめることなく、さらなる挑戦に取り組んでまいります。新たな取り組みとして検討しているのがパン粉付き商品の製造です。アートロックフリーザーは従来の冷凍機に比べて庫内でパン粉が舞い散ることがありません。これにより、衣の剥がれや乱れといった課題を抑えることができ、また、生パン粉の水分が飛ばずに保持されるため、揚げた際の食感や風味も保たれます。今後は、輸送時にパン粉が潰れてしまわないかなども含め、試作と検証を重ねてまいります。

また、これまで当工場では業務用商品の製造に特化していましたが、今後は個包装商品やローストビーフのスライス冷凍など、B to C市場を見据えた商品開発にも注力していきたいと考えています。アートロックフリーザーの高精度な冷凍技術を活かし、冷凍流通に適した商品形態を模索することで、小売マーケットへの参入を目指します。

今後の工場運営においては、特殊冷凍機を活用し、「資源の最小化」と「無駄の排除」を図ることで、「守り」の冷凍=生産効率と品質の安定化を推進していきます。同時に、これまでにない新しい価値を持った商品の開発を通じて、「攻め」の冷凍=高付加価値の創出にも取り組み、冷凍技術を生産の要としてさらに進化させていきたいと考えています。アートロックフリーザーの技術力と現場の創意工夫を掛け合わせ、惣菜製造の現場に新たな可能性をもたらし、食の未来を見据えた挑戦を進めてまいります。

プロフィール

  • 企業名:岡山フードサービス株式会社
  • 代表:代表取締役社長 岡山 克巳
  • 住所:大阪府大阪市
  • 事業内容:
    • 外食・中食産業へのトータルディストリビューション
    • 外食事業(店舗ブランド開発)
    • 養鶏事業
    • お茶・サツマイモ・山椒・柑橘などの農業事業
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