冷凍事業は1950年代にエビフライからスタートし、「カニやエビの加工といえば浜勘」と言われるまでに成長してきた株式会社浜勘。長年、委託加工を主軸に事業を展開してきた同社は、自社で価値を生み出し販売するメーカー事業への挑戦という大きな転換期を迎えています。 それを支えるのが、高品質冷凍を実現するアートロックフリーザーです。 事業転換の背景から、地域資源の活用、そして今後の展望までを代表の海野宗明様に伺いました。
ーーーー会社の歴史と冷凍事業への取り組みについて教えてください。
1950年代にエビフライの製造から冷凍事業をスタートしました。その後、1970年代にはカニ加工にも取り組み、「甲殻類(カニやエビ)といえば浜勘」と徐々に認知されるようになりました。当初から委託加工が中心でしたが、冷凍設備への投資は地域でも早い方だったと思います。2000年代にはチルドやレトルトにも対応し、三温度帯を扱える体制を整えましたが、現在でも売上の9割以上は冷凍食品が占めています。
ーーーー高品質な冷凍技術導入の背景は何だったのでしょうか。
社長就任前にアメリカで畜産業に携わった経験から、冷凍技術によって付加価値を生み出せると感じていました。従来の冷凍では、あんこうやメヒカリのような鮮度劣化の早い魚の品質維持が課題でした。もしこれを解決できれば、季節に左右されずに高品質な食材を流通させることができ、大きなビジネスチャンスになります。また、委託加工は売上規模こそ大きいものの利益率が低く、為替の影響で原料価格が高騰するなど、経営的な不安定さもありました。このままでは存続はできても成長は難しい。若い社員のためにも、冷凍技術を活用した高付加価値なメーカー事業へ少しずつ舵を切ることにしました。


ーーーーメーカー事業の幕開け「お寿司プロジェクト」について教えてください。
「お寿司プロジェクト」は、茨城県産の米と地魚を組み合わせた「メイドイン茨城」の冷凍寿司を、プレミアム商品として海外に輸出するプロジェクトです。アメリカ時代に築いたネットワークを活かし、西海岸の水産卸と連携して輸出計画を進めています。

ーーーー現在の自社製品についてはいかがでしょうか。
これまでのOEM加工で培った知見を活かして、自社製品の開発・製造の体制づくりを進めています。例えば、グラタンやドリア、カニクリームコロッケといった海鮮加工品。委託加工で高級ホテル向け商品を手がけてきた経験から着想を得た商品もあります。現在は工場の管理体制を強化しながら、国内での販路開拓を進めている段階です。

ーーーー地域食材の活用について教えてください。
近年、茨城県では伊勢海老の漁獲量が急増しています。従来は南方が中心だった漁場が北上してきた影響で、今後さらなる増加も見込まれています。伊勢海老は漁期が限られる食材ですが、冷凍技術を活用することで、季節に左右されない流通が可能になります。その点で、冷凍との親和性が高い食材です。実際にアートロックで凍結したところ、身質や発色、みその状態まで良好で、生に近い品質を維持できることを確認しました。地元の高級店へ提案したところ即採用となり、レストランへの卸がスタート。規模はまだ小さいものの、仕入れ・加工・販売までを一貫して行えた成功体験です。
ハーフカットやテルミドールといった高加工品の展開も進めています。業態によって求められる商品は異なり、レストランは原料に近い形、量販店は加工度の高い商品を好む傾向があります。テルミドールについては品質が評価され、2025年12月に農林水産大臣賞を受賞しました。今後は台湾など海外展開も計画しています。


ーーーーアートロックフリーザーの活用について教えてください。
アートロックは高品質な凍結が可能ですが、大量生産型の委託加工とは相性が良いとは言えません。そのため、委託加工ではなく、伊勢海老のような高単価な自社製品に絞って活用しています。一方で、最近はトレーパックや加熱調理など、加工度の高いOEMの依頼が増えています。弊社は加熱調理やペースト加工など幅広く対応できるため、こうした付加価値の高い案件ではアートロックを活用しています。
浜勘はカニ加工が主力のため、1月から8月は閑散期になります。この期間に委託加工と自社製品の製造を組み合わせることで、年間通じた安定経営を目指しています。今年は伊勢海老を多く仕入れて凍結し、オフシーズンにも流通させる計画です。今後は、解凍後に調理して再凍結するツーフローズンの可能性も検証していきたいと考えています。


中期的には輸出事業の強化を掲げています。北米に加え、台湾やシンガポール、インドネシアなど東南アジアからの引き合いも増えています。長期的には、販売部門を独立させることも構想しています。
メーカー事業はまだ立ち上がったばかりで、業績への影響は限定的ですが、「自分たちで作り、自分たちで売る」というゼロからイチを達成できたことに大きな価値があります。伊勢海老事業も仕入れ量を拡大し、今後はさらに経営へのインパクトを高めていきたいと考えています。
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