2026.06.17 導入事例

地域に愛され続けるコロッケ専門店「クロケッタ」が実現した、サクサク食感の再現と売上の安定化

卸に頼らず地元で価値を磨くために。揚げたて冷凍という新たな選択肢

大阪・箕面で地域に愛され続けるコロッケ専門店「コロッケ・クロケッタ」。祖父の代から受け継ぐレシピをもとに、イタリアンの感性を取り入れた多彩なコロッケを展開しています。同店では、調理済み商品の冷凍商品化に向けて、アートロックフリーザーを導入。揚げたての食感をそのまま閉じ込めた冷凍コロッケの販売が好調で、客単価向上や売上の安定にもつながっています。株式会社森のクロケッタ代表の森下博史様に、導入背景や活用方法、今後の展望についてお話を伺いました。

祖父のレシピを現代に。小さな惣菜店から始まったコロッケ専門店

ーーーーお店の歴史について教えてください。

昔、祖父が営んでいた惣菜屋で提供していた昔ながらのコロッケが、クロケッタの原点です。そのレシピを私が引き継ぎ、アレンジして復活させました。最初は7坪ほどの小さなコロッケ専門店としてスタートしましたが、開業から1年ほどで売上が伸長し、3年後に現在の場所へ移転。私自身のイタリア料理の経験を活かしてマスカルポーネやリコッタチーズなどの食材を取り入れた商品も展開し、当初5種類だった商品も、現在では30種類ほどに増えました。また、惣菜店の名残として、お弁当や総菜の販売も続けています。さらに、約2年前には近隣に2店舗目をオープン。徐々に製造と販売の体制強化に取り組んでいます。

本当にサクサクになるのか、揚げたコロッケの冷凍商品化への挑戦

ーーーーアートロックフリーザー導入の経緯を教えてください。

きっかけは兄からの紹介です。兄が経営する中華惣菜のデリカテッセン「横浜桂林」で、アートロックを活用した商品開発を進めていると聞いたことが始まりでした。

当初は、お弁当のロス削減を目的に導入を検討しましたが、多品目の弁当はおかずによって向き不向きがあり、思うように活用できませんでした。そこで、コロッケなどの揚げ物にも活用できると聞き、試してみることに。冷凍でコロッケのサクサク感を再現するのは難しいだろうと最初は半信半疑でしたが、揚げたてとほとんど変わらない想像以上の再現性に驚きました。あたたかい状態で一気に冷凍し、そのまま閉じ込める。凍結スピードと風の当て方の影響が大きいのだと思います。

ーーーー揚げた後のコロッケを冷凍しようと考えた理由は何でしたか。

家庭で揚げ物をする手間を少しでも楽にしたい、そしてお店で提供している品質をそのまま味わってほしいという思いから、揚げた後の商品を冷凍して販売する形にしました。実際に購入されたお客様からは、「一度買うと家で揚げたくなくなる」と言われることも多いです。コロッケのほか、ヒレカツなども同様に調理済みで冷凍し、販売しています。

レシピは変えない。素材と工程で差別化

ーーーー冷凍用にレシピの調整はされていますか。

常温販売の商品とレシピは同じですが、使用する素材を一つひとつ厳選しています。例えばパン粉は、ザクザク、ガリッとした食感を大事にしながら、具材の柔らかさに応じて最適な食感を出すために7種類のパン粉を使い分けています。じゃがいもやコーン、お米は北海道・美瑛町のJAから直接仕入れ、下処理も機械任せにはせず、一部手作業。この工程を守るために、大量生産ではなく品質を保てる範囲で展開しています。

揚げたてをすぐアートロック。現場に組み込まれた導線設計

ーーーー製造体制について教えてください。

店頭販売用と冷凍用を並行して製造し、一部を冷凍に回す形で運用しています。接客しながらの作業なので、今後は体制強化も必要になるかもしれません。アートロックはフライヤーのすぐ近くに設置し、揚げた直後にそのまま凍結できる導線を作りました。これにより、品質の良い状態を逃さず冷凍できます。また、一度に入れすぎると凍結効率が落ちるため、適正量に調整して30分〜1時間程度で安定して凍結できるようになりました。

冷凍が客単価を押し上げ、売上を支える

ーーーー売上への影響はいかがですか

物価高の影響もあり、来店客数や総菜の購入点数はやや減少傾向にあります。しかし、その分を冷凍商品が補ってくれています。常温商品は「今日食べる分」だけ購入されることが多いですが、冷凍商品は「今週分」「好きな時に食べる分」として追加購入されるため、客単価が上がります。結果として売上は安定し、むしろプラスになる時期もあります。最近では、来店されたお客様がまず冷凍ショーケースを見に行く光景も増えてきました。冷凍コロッケが売上の支えになっている。スタッフの間でも「よく売れるようになった」という実感があります。

地域に根ざしながら、冷凍売場を広げる

ーーーー今後の展望について教えてください。

現在、店舗に設置している冷凍ショーケースの売上が好調なため、今後は売場を拡大する予定です。冷凍ショーケースを追加導入し、売場面積を約2.5倍に広げます。また、2店舗目では冷凍自販機での販売のみですが、今後はここにも冷凍ケースを設置したいと考えています。

一方で、この店舗でしか買えない価値を大切にしするために、卸販売はあえて行っていません。立地的にも駅前ではなく、クロケッタは地域のお客様に支えられているお店です。全国展開で売上拡大を目指すよりも、地域の方々の生活を豊かにすることを大切にしたい。これからも、地元・箕面のお客様に愛される店づくりをしながら、基盤を固め、冷凍を活用してお客様に喜んでいただけるサービスを広げていきたいと考えています。

プロフィール

  • 会社名:株式会社 森のクロケッタ
  • 代表者:代表取締役 森下博史
  • 所在地:大阪府箕面市
  • 事業概要:コロッケ専門店「コロッケ・クロケッタ」の運営