 
                                                    北海道・ニセコの自然に囲まれたカフェ「グラウビュンデン」。地元の人にも観光客にも愛されてきたこの店がアートロックフリーザーを導入したのは、コロナ禍での冷凍通販への挑戦がきっかけでした。今、グラウビュンデンが見つめているのは、ニセコのグリーンシーズンという地域課題と、「お店のコンセプトを冷凍で届けたい」という新しい目標。看板商品の「物語に出てくるようなケーキ」を表現した新商品を、いよいよ来月発売できるといいます。本商品にこめた想いや冷凍の可能性について、代表の渡辺淳子様に伺いました。
ーーーー冷凍技術に関心を持たれたきっかけ、当時の課題を教えてください。
グラウビュンデンは、北海道・ニセコにあるサンドイッチとケーキの一軒家カフェです。冷凍技術に関心を持ったきっかけはコロナショック。来客が減り、新しく冷凍通販を始めようと思ったことがはじまりでした。ただ、今はコロナとは違う「グリーンシーズン(春夏など冬以外)のニセコの日本人離れ」という地域課題があります。最近のニセコは、経営者もお客様も外国の方が多く、土地の値段も物価も上がって、東京と変わらない相場です。そうした報道が増えたことで、「ニセコは高い場所」というイメージが全国的に広がってしまいました。
外国人観光客が来るのは冬が中心なので、グリーンシーズンはとても静かになります。以前はもっと道内のお客様もいらっしゃいましたが、経済格差もあって客足が減少。ニセコの多くの事業者が「いかにグリーンシーズンに収益をつくるか」に悩んでいます。そこで私たちは、「持って帰れるもの」「地域外に送れるもの」として、冷凍通販の展開に力を入れ始めました。


ーーーーアートロックフリーザーはどこで知っていただいたのですか。
「ニセコの空気と共に味わってもらいたい」という思いで始めたお店だったので、冷凍するなら味や食感の再現性が高いものを使いたいと思っていました。そんなとき、息子がテレビでデイブレイクさんを見て、教えてくれたんです。問い合わせをしたら「じゃあ来週伺います」と仰られて、なんと木下社長ご本人がニセコまで来てくださって。そのフットワークの軽さにまず驚きました。現場の構造上、希望していた冷凍機は入らなかったのですが、どんな機種が最適で、どう設置すればいいかを丁寧に説明してくれて、その熱意と誠実さに心が動きました。他にも長く付き合っている厨房屋さんはありましたが、「冷凍機に関してはデイブレイクさんで」と決めました。冷凍=劣化する、というイメージを持っていましたが、アートロックで冷凍したシフォンケーキは食感が全く変わらなかった。誠実な対応と高い再現性。この体験が、導入の決め手になりました。
ーーーー現在は冷凍技術をどのように活用されていますか。
お店の通販では、アートロックで凍結した冷凍スイーツを販売しています。ジャムやクッキーは常温ですが、それ以外は冷凍。近々、「冷凍ケーキカップ」という新商品を発売予定です。ポップアップを4回ほど試したところとても評判が良く、いよいよ正式に販売を始めるところです。フレーバーは5種類、価格は1,500円(+送料)。常温で2時間、冷蔵で6時間ほどで解凍できます。半解凍でアイスケーキのようにもお召し上がりいただくの好評だったので、完全に解凍したふわふわのケーキと半解凍のアイスケーキ。2つの食べ方を提案しようと考えています。
外国人観光客からの要望が多い「グルテンフリー」の商品も開発しました。美味しいグルテンフリーのスイーツは全国的にもまだ少ないので、冷凍で届けられるというのは大きな強みです。今回のケーキカップは品質にも自信がありますし、ここから多くの人に広げていきたいと思っています。


また、冷凍販売用の商品だけでなく、サンドイッチに使用するパンやシフォンケーキなど、店内提供メニューにも活用しています。驚いたのは、冷凍した方がふわっとすること。焼きたてをそのまま冷凍し、自然解凍して軽く温めると、まるで焼きたてのようにふわふわに戻ります。焼いてから粗熱をとって、1時間弱で凍結。回転が早いので、保管は1週間ほどです。自然解凍+30秒レンジで少し温めて使用しています。「冷凍した方がふわふわ!」という感覚は、新しい発見でした。
ーーーー導入後、売上の変化はありましたか。
導入して3年になりますが、冷凍商品の販売は確実に伸びています。「気に入ってくれた方に届けたい」という気持ちが強いので、ホームページのリニューアルや撮影の見直しなど、商品の魅力を伝える工夫を重ねてきました。小売店から販売のお声をいただくこともありますが、大量生産は難しいので、今は自分たちのペースで着実に進めています。
通販に加えて、店舗にも冷凍ショーケースを設置し、持ち帰り販売を開始。そのラインナップはどんどん増え、売上は倍以上になりました。最初は冷凍品を選ぶ人が少なかったのですが、今では「冷凍も美味しい」と感じて購入してくださる方が増えています。

ーーーー今後の展望を教えてください。
新商品のケーキカップの発売にワクワクしています。うちの店は、シフォンの間にフルーツをたっぷり詰めて、クリームで仕上げたレイヤーケーキがメインです。お客様から「おとぎ話の中に飛び込んだみたい!」と言っていただくことの多いこの看板商品は、その日に食べてもらうしかないものでした。アートロックを導入して、チーズケーキやプリン、マフィンなどの冷凍販売は増えてきましたが、お店の象徴であるレイヤーケーキだけは、私の中でどうしても冷凍のイメージが持てませんでした。でも試しに「カップ」に入れて作ってみたら思いのほか良くて、「これもありかも!」と、これまでの思考から抜け出すことができました。
生のフルーツの代わりに、甘さを抑えたコンフィチュールのようなジャムを使って、クリームと層にしたカップケーキ。冷凍でも、ちゃんと物語から出てきたようなワクワクする気持ちを届けられる商品です。お店の大事にしているコンセプトを形にできるのは、アートロックがあるからこそ。今回のケーキカップは、グラウビュンデンの新しい挑戦です。

 
            北海道・ニセコの自然に囲まれたカフェ「グラウビュンデン」。地元の人にも観光客にも愛されてきたこの店がアートロックフリーザーを導入したのは、コロナ禍での冷凍通販への挑戦がきっかけでした。今、グラウビュンデンが見つめているの […]
 
            ゴミ処理施設や半導体装置のメンテナンス、非常用発電機の設置など、インフラを支える技術で事業を展開してきた株式会社シーエープラント。同社が3年前に立ち上げたのが、食品事業です。背景にあるのは、京都の農家を支えたいという想い […]
 
            1日に3万食の弁当を製造・出荷する株式会社浜の家。給食や惣菜を手がける中で、同社は新規事業の開拓を目的に急速冷凍機「アートロックフリーザー」を新たに導入しました。4台の冷凍機を設置し、冷却・冷凍と多用途で稼働する設備とし […]